読書感想文
有名作家x有名ゲーム「ICO-霧の城-」
2010年 講談社刊行 宮部みゆき著
PS2の人気ゲーム「ICO」のノべライス作品。
模倣犯やソロモンの偽証等、数多くのミステリー作品で文学賞を受賞している人気作家が手掛けると、それはもはやノベライズとは呼べないほどの圧倒的クオリティです。
あらすじ
君には力があるんだよ。霧の城に負けない力が。
断崖絶壁に建つ霧の城にやってきたイコは、鳥籠に囚われた1人の少女・ヨルダと出逢う。
「ここにいちゃいけない。一緒にこの城を出よう。2人ならきっと大丈夫」。
なぜ霧の城はニエを求めるのか。古(いにしえ)のしきたりとヨルダの真実とは。2人が手を取り合ったとき、この城で起きた悲しい事件の幻が現れ始める。
僕は長らくSEGAサターン信者だったので、PS2くらいまではアンチSONYでしたww
というわけで、ICOというゲームの存在は知っていたのですがプレイしたことは無く、内容もただ何となく陰鬱な感じのするゲームなのかな?くらいの印象しかありませんでした。
宮部みゆきという作家先生も当然知っていましたが、ブレイブストーリーを呼んで読みづらい文章を書く人だなという印象をもってしまい、イマイチ好きになれない作家さんの一人でした。
そんな宮部先生がICOのノベライズを手掛けたということで、何故か興味を惹かれ、思わず購入してしまったのがこの作品「ICO-霧の城-」
むしろ僕はゲームをやっていなくてよかった。
作品に流れる寂し気で謎に満ちた不穏な雰囲気と、イコとヨルダの健気に信じあう純粋な姿。
謎に満ちた城の中を駆け巡り、次第に過去の悲しい真相へ踏み込んでいくミステリアスな展開。
作中に引き込まれる圧倒的な力はもはや宮部みゆきのオリジナルと表現しても過言ではない強烈な魅力に溢れていました。
後になってゲームをプレイしてみて、どれほど忠実に再現されているか思い知り、一流作家の本域を思い知りました。。
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