NowLoading...

NowLoading
  1. ホーム
  2. Gの構成元素
  3. 日本人が作れなかった武士道「Ghost of Tsushima」

ゲームは総合芸術だ

  • facebook
  • twitter
  • line
  • hatena
  • pocket

日本人が作れなかった武士道「Ghost of Tsushima」

2020年 PS4・PS5
開発:Sucker Punch Productions
販売:ソニー・インタラクティブエンタテインメント
文永11年(1274年)の蒙古軍による日本侵攻(文永の役)いわゆる”元寇”を描いた作品。

”元寇”といえば日本人にとっては、蒙古・漢軍による侵略で甚大な被害を被ったという歴史の授業で学んだ史実ですが、世界ではあまり知られていないマイナーな歴史でもあるようです。
時代劇など日本に古くからある作品でも殆ど取り上げられなかったこの対馬の歴史に、外国のデベロッパーが注目したというのも奇妙な着眼点ですが、非常にリアルで壮大に描かれた歴史絵巻は、日本人が作れなかったのが悔しいくらい圧倒的なクオリティです。

鎌倉時代の対馬をめぐるオープンワールド

時代劇をテーマにしたゲームはいくつかありますが、焦点はやはり群雄割拠、下剋上の動乱を描く戦国時代。
歴史シミュレーションや無双など史実をもとにはしているものの、あくまでフィクションの域を出ない作品が多い印象です。
そんななか登場した「Ghost of Tsushima」は日本の時代劇ものではおそらく初めてのオープンワールドであり、”元寇”という歴史の一部を完全再現したリアルな世界が展開されます。 モンゴル軍

徹底的にリアルな日本の風景

アメリカ人が思うサムライのイメージって、日本人の我々からすると変な感じありますよね?
刀の持ち方がおかしかったり、立ち居振る舞いに違和感を覚えたり、意味もなくやたらお辞儀したり、日本にはない中国文化的な装飾や衣装だったりetc… 湯 でも、この「Ghost of tsushima」にはそういった、アメリカ人が勝手にイメージしてるズレた日本観みたいなものがほとんど感じられません。
僕らも実際にその時代を知らないわけで、書物やドラマなど、こんな感じだろうというものしか見たことがないわけですから
「Ghost of tsushima」をプレイしていると、リアルなあの時代の風景は本当にこうだったんじゃないかと思えてきます。
むしろ日本人が作る時代劇の方がエンタメを意識して誇張してるんじゃないかと思えるくらいです。 風景 手つかずの自然や原風景に鎌倉時代の家屋、そこで生きる人々や文化など、この作品は細部に至るまで、日本の時代背景を徹底的にリアル作りこんでいます。

ゲームシステム

広すぎない程良いサイズのマップ

マップ

一般的なオープンワールドゲームと同様に、メインストーリーとサイドストーリーを同時に進行できる”タスク型”のシナリオです。
サイドストーリーをクリアすることで、新しい装備や技を習得できので、メインストーリーだけでは終盤で苦しくなるかもしれません。
オープンワールドではありますが、そこまでマップは大きくないのであまり迷うことなくプレイできる手軽さもあります。

玄人向けのアクション

殺陣

難易度設定もできますが、個人的には比較的難しめの印象。キャラクターの動きが独特なので慣れるまでに苦労します。
無双みたいなスピーディーなゲームとは違い、一撃必殺的なアクションなので、一太刀一太刀の反動がでかい。(現実の切り合いなら一太刀で死にますからね。。)
ライフゲージもありますが、ダメージが大きいのでもろに食らうと数回で死にます。(難易度モードによります)

忍者のようなステルスアクション

元寇の際、日本が窮地に追い込まれた要因の一つとして、1体多数の戦闘を武士が経験していなかったことが挙げられるそうです。
武士は必ず名乗ってから1対1の対決を申し込むのが習わしで、このゲームでもそういった日本独特の風習が機能として盛り込まれています。
敵と遭遇すると武士らしく律義に名乗って一騎打ちを仕掛ける方法と 一騎打ち 忍者のように闇討ちする2パターンがあります。(闇討ちは気づかれると乱闘になります) 闇討ち 敵陣には多くの敵兵がいるので、いちいち一騎打ちを挑んでいたら命がいくつあっても足りません。
弓矢や敵の気を引く小道具など、様々なアイテムを駆使して敵に感づかれないように静かに暗殺するステルス戦闘が醍醐味。
一度も気づかれることなくすべての敵兵を暗殺できたときの達成感は爽快です。(不謹慎)

日本人が忘れた武士道

Ghost of Tsushimaで僕が個人的に最も評価しているポイントは、日本人が忘れてしまった武士道を、アメリカ人の目線から丁寧に描いていること。
おそらく外国人特有の思い込みや理想といった誇張表現も含まれている気はしますが、日本人の我々が見ても、リアルな侍の姿はこうだったんじゃないかと思えるくらい、丹念に作りこまれています。
礼 命への敬意、人を殺めることへの畏怖、武士の尊厳、礼節。
日本の時代劇では勧善懲悪・正義のヒーローみたいなチャンバラ劇が多くて、悪人は切られて当然みたいな展開が多いですが、この作品では命を奪う行為への罪悪感や正義を果たすための葛藤などが非常に重く描かれています。
武士としてどうあるべきか、礼を重んじる古き良き日本人の姿、そういった現代の日本人が忘れてしまった美しい日本の武士道を体験できます。

関連記事

もっと見る

Gの構成元素 でよく読まれている記事

人気記事TOP10