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号泣必至「ブラックジャックによろしく」

2002年~2006年 講談社「モーニング」誌上にて連載。佐藤秀峰著。
続編となる新・ブラックジャックによろしくは小学館から刊行されている。
TBS系列でドラマ化もされた人気作です。
新人研修医の主人公 斎藤英二郎の目を通して浮き彫りにされる、利権や時代遅れの法律によって歪んでしまった日本の医療と、葛藤に苦しむ患者やその家族の姿。
理不尽な現実に真っ向から立ち向かう英二郎が医者として成長していくヒューマンドラマ。


研修期間中に各科を周ることでそれぞれの現場で起こる理不尽な現実や不都合な真実が描かれ、医療大国と呼ばれる日本がいかに歪んだ医療体制の下で運用されているかが浮き彫りにされています。

主人公の斎藤英二郎は根性無しながらも曲がったことが嫌いな正義感の強いキャラクターで、権力に屈することなく間違ったことには真っ向から立ち向かっていく信念の男です。
病院運営の理不尽な現実と、法律の壁に阻まれて遅々として進まない治療に苦しむ患者の姿。
彼らに寄り添い、どんなことがあろうと患者の味方であり続けようと奮闘する英二郎の姿が胸を打ち、感動を呼ぶ医療漫画の傑作です。

漫画で泣いたことなんて今までありませんでした。
ガン医療編なんて号泣でページがめくれなくなるほどです。
作品の世界に引きずり込む迫力の画力と強烈なインパクトを残す台詞の数々。
佐藤秀峰という漫画家は天才です。 blackjack

ブラックジャックによろしく

第一外科編

永禄大学医学部で医師を目指す主人公”斎藤英二郎”
研修のため第一外科に配属された英二郎は昏睡状態に陥った老人”金子敏夫”の担当医を命じられるのだが、すでに治療の手立てはなく、家族の意向による延命治療を続けるしかなった。
国民皆保険の制度により患者の医療費負担は軽減されるため、回復の見込みがない患者の延命治療はそのまま国の財政を圧迫する。治療を中止すると告げられた英二郎は「医者とはなんなのか?」と疑問を持ち始める。

循環器内科編

第一外科での研修を終えた英二郎は第一内科へと配属される。
そこで英二郎は狭心症の患者”宮村和男”と出会うのだが、宮村の病状は既に危険な状態まで進行していた。
日々激務に追われる中、英二郎は看護婦の”赤城カオリ”と出会い、天下の永大の現実を知らされる。
医師の数が多く、設備も整っている永大だが、実際は経験の少ないエリート集団。
宮村の手術は永大では不可能だと悟った英二郎は、神の手を持つ心臓外科医”北三郎”のもとを訪ね、宮村の手術を直談判する。
裏切りを許さない永大は、英二郎が外部の医師に接触したことを知り、大学病院を退職するように迫るが、宮村を救いたいという一途な思いから、英二郎はクビ覚悟で宮村の自主退院を強行する。

NICU(新生児集中治療室)編

心臓外科での一件は永大中に知れ渡り、英二郎は問題児として教授たちに目を付けられる。
そのため次の研修先の予定だった第三外科から受け入れを拒否された英二郎は、NICU(新生児集中治療室)へと配属される。
沢山の未熟児たちを治療するNICUで研修を始めた英二郎のもとに双子の未熟児がやってくる。
小さな命と触れ合うことに親しみを感じていた英二郎だったが、未熟児として生まれてきた事実に難色を示した両親は子供の受け入れを拒否する。
さらに双子の弟がダウン症であることが判明し、合併症で腸閉塞を患っていることが分かると、父親は「そのまま死なせてほしい」と担当医たちに告げるのだった。

がん医療編

NICUでの研修を終えた英二郎は第四外科へと転属する。
指導医の”庄司”とともにがん患者の治療にあたる英二郎は、ここでも日本のがん医療が世界に後れを取っている現実を思い知る。
時を同じくして、英二郎はもう一人のがん専門医の”宇佐美”と出会う。
抗がん剤治療を主とする庄司とは対照的に、宇佐美は抗がん剤を一切使用せず、死と向き合う治療を信条としていた。
そんな折、末期のすい臓がん患者”辻本良江が永大に入院する。
効果が望めないにもかかわらず抗がん剤の治療を続ける庄司に疑問を抱き、患者に真実を告げようとする英二郎。
しかし庄司もまた宇佐美とともに、かつて一人のすい臓がん患者に対して、未承認薬による治療を強行した過去があった。

精神科編

次なる研修先は精神科病棟。
英二郎は精神科の内情を取材すべく体験入院していた新聞記者の”門脇”の担当医を命じられる。
門脇と同室の患者”小沢”の経過を観察しながら、精神病患者に対する偏見や差別の現実と向き合う英二郎。
精神科に入院してきた女性”小早”に思いを寄せる小沢は、社会復帰を目指して目覚ましい回復を見せていた。
小沢の退院がいよいよ来月に迫ったそんな折、小学校に刃物を持った男が乱入するという凄惨な事件が起こる。
容疑者は以前、精神科に入院していた過去を持つ元患者だった。

新・ブラックジャックによろしく

移植医療編

研修期間も残すところあと4か月と迫り、最後の研修先”泌尿器科”に配属された英二郎。
指導医”近藤ムツミ”の下、患者の治療に励む英二郎は、研修後の進路に思い悩んでいた。
そんなある日、看護師の”赤城カオリ”が透析クリニックから出てくる姿を目撃する。
そして、赤城が永大を退職するという噂を耳にした英二郎は、赤城が腎不全のため長年透析を続けているという事実を知る。
腎不全の患者は透析を続けなければ生きられない。救うためには腎移植しか道はない。
指導医のムツミに相談した英二郎は、移植医であるムツミの夫を紹介される。
「自分の腎臓を提供する覚悟がないなら、移植を勧めるべきではない」
そう告げられた英二郎は、苦悩の末 決断する。
赤城に死んでほくないと願う英二郎は、自分の腎臓をもらってくれと訴えるのだった。

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