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心温まる美術史ミステリー「楽園のカンヴァス」

2014年 新潮社刊行 原田マハ著 山本周五郎賞受賞作。

印象派の巨匠”アンリ・ルソー”に焦点を当て、傑作「夢」の制作に秘められた過去に迫るミステリー作品。
犯罪を扱った作品ではないので、ラストは胸が温かくなる、そんなちょっと変わったミステリーです。

作者の原田マハさんは美術館の学芸員を経て、小説家に転身した異色の経歴の持ち主。
執筆されている作品の多くは絵画をテーマにした作品が多く、実際に存在する絵画に焦点を当てながら、史実に基づいた内容を随所に織り交ぜているので、考古学アドベンチャーのような雰囲気も楽しめます。

あらすじ

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。
そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。
リミットは7日間。
ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。

歴史や考古学の謎に迫るアドベンチャー作品はそれなりにありますが、絵画に秘められた謎に焦点を当てた作品というのはあまり多くありません。
キュレーターでもある作者自身の知識があってこそ生まれるの数々作品には美術に対する情熱が溢れています。

美術が好きな人にとってはたまらない作品ですが、文章をとても丁寧に書かれる作家さんなので読みやすく、伏線を巧みに利用した展開や、心温まる物語は美術に詳しくない人でも十分に楽しめる素敵な作品です。
この作品を読めば一度はルソー作品を見てみたいを思うのではないでしょうか?

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