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音楽が無いと生きていけない
万人に愛されたギタリスト「hide」
ヴィジュアル系の音楽が大好きだった少年時代。
ヴィジュアル系という言葉の原型を生み出し、僕の好きだった数々のアーティストたちと幅広い親交を持っていた伝説のギタリスト。
ヴィジュアル系を語る上では決して避けて通れない存在ではあるものの、あまりに偉大すぎるし、僕なんかよりもずっと詳しくより深く彼を愛するファンが沢山いるので、今まで記事にはしませんでした。
今回は意を決して日本ヴィジュアルロック界に革命をもたらしたアーティストhideについて語ってみたいと思います。
関東3大粗大ゴミバンドと呼ばれた、当時の関東インディーズシーンにおいて伝説と称される3バンドの一つ”横須賀サーベルタイガー”でギタリストを勤めバンドを牽引していたhide。(他の二つは後のXJapanとなるXとTAIJIが所属していたDEMENTIA)
最終的にはD’ERLANGERのKYOとTETSUが所属していたことでも知られるモンスターバンドです。
サーベルタイガーの解散を期に”ギタリストを辞める”と漏らしていたそうですが、その頃出会ったYOSHIKIに呼ばれて観に行ったXのリハーサルに感銘を受けてX加入を決意します。
日本のロックシーンに、ヴィジュアル系という新たなロック体系を生み出すことになる伝説的なバンドのメンバーが同じ地域に揃っていたというのは、なんとも運命じみた巡り合わせです。
XJapanの伝説はもはや説明不要でしょう。
日本中のHM/HRファンが熱狂した偉大なバンドです。
ただ個人的にはあまりメタル系の音楽が得意じゃなかった僕はそこまでハマりませんでした。(世代的にも僕は少し後です)
そのためXJapanのhideがソロ活動を始めるというニュースは世間的には大きな話題になりましたが、僕にとっては当初それほど興味を惹かれる話題ではありませんでした。
50%&50%の衝撃
hideの代表曲といえば「TELLME」や「EyesLoveYou」を挙げる方が多いでしょうが、僕が初めて聞いたhideの曲は「50%&50%」でした。
hideの曲の中で一番好きな曲はどれか?と聞かれてもやっぱり「50%&50%」です。 XJapanの攻撃的で激しい音楽性からは全く想像がつかないとてもポップな楽曲。
ギタリストらしくパワフルなギターサウンドが全面的に押し出されつつ、リズミカルでアップテンポかつ爽やかなメロディーと、とても愛嬌のあるhideのヴォーカル。
(当初ヴォーカルに対して前向きではなかったそうですが、非常に多彩な歌い分けをしていたり、ヴォーカリストとしても十分魅力的な声を持った人だと感じます)
モダンロック的なメロディ重視の音楽が好きだった僕にとって、50%50%という曲との出会いは衝撃的でした。
時代の先駆者にしてマルチなメディアクリエイター
hideは多くの後輩バンドを見出だし世に送り出した優れたプロデューサーとしても知られています。
エクスタシーレコーズの代表格「LUNASEA」や「ZIKILL」もその一つ。
また、今となっては当たり前になったネットライヴや野外フェスなどをいち早く開催し、ファッションデザインやヘアサロンの経営など、hideはミュージシャンの枠を超えて新しい表現に挑戦し続けたクリエイターでもありました。
特にデジタルの分野に早い段階から注目しており、音楽の中にも機械的な表現を積極的に取り入れています。 > hideプロデュースブランド LEMONeD <
ゲームとかも好きだったらしいので、もし今も存命だったらVRとかプロジェクションマッピングとか使って面白いことやってくれてたんだろうな。
インターネットが普及し、SNSやコミュニケーションツールが発達した現在
−−ネットの中でしか自己表現できない人、赤の他人を公然と非難する人たち、パソコンの小さな”箱”の中でしか生きられない
そんな現代人が直面している社会問題を1998年当時すでに歌詞の中に表現し、警鐘を鳴らしています。
二面性がある人物と言われることが多かったhide。
生前のhideの足跡を追ったドキュメンタリー「JUNK STORY」の中で”松本秀人はhideというアーティストをプロデュースしている”と表現されています。
あくまで松本秀人とhideは別人格であり、同一人物として交わることがなかったようです。
そういった考え方自体がすごく革新的だし、hideというアーティストはスターになるべくして作られた存在だったのかもしれません。
早いものでもう没後20年。今なお多くのアーティストに影響を与え、多くのロックファンに愛され続けています。
破天荒で革新的、好奇心旺盛で少年がそのまま大人になったような無邪気なキャラクター。
スーパースターでありながらファンとの交流に力を入れ、とても人間味溢れる人格者でもあったからこそ多くの人々に今なお愛され続けているのだと思います。
hideというアーティストは我々に新しい世界をたくさん見せてくれました。
永久に残り続ける彼の音楽はこれからやってくる新しい世代のアーティストたちにも、確実にその遺伝子が受け継がれていくだろうと信じています。
「hideありがとう」
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