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スマホのアクションゲームが面白くない理由

スマートフォンの性能が上がり、高度なグラフィックや複雑な動作のゲームも当たり前に遊べるようになりました。
今やスマホゲームも3Dが主流の時代。本格的なMMORPGや処理負荷の高いアクションゲームなんかもたくさん登場してますが、ゲームが複雑になれば操作も複雑になるわけで、コントローラの無いスマホゲームの場合は画面がUIで埋め尽くされているなんてことがよくあります。

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D×2 真・女神転生リベレーション

中には擬似的なコントローラをそのまま配したものもあり、複雑な操作が必要なゲームはそれが当たり前になってしまっている現状があります。
特に顕著なのが”アクションゲーム”
ゲームパッドをそのまま画面上に配置し、大事なゲーム画面をプレイヤー自身の指で隠してしまうので単純に画面が見えづらい。

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THE KING OF FIGHTERS-A 2012

ただそれらのUIの本当の問題は見た目や操作感以前に「なんかつまらない」という感覚です。
操作感が心地良く無いんです。

感触の重要性

なぜスマホの擬似コントローラが「つまらない」と感じるのか?
触った(押した)感覚がないからではないかと思いました。

人間には”触覚”があります。物体に手で触れていればそれを自覚できるので、見ていなくても手の感触で物体を認識できます。そして、触れている物に変化があればそれを感じ取ることができます。
熱いものに触れれば熱いと感じる しかし、スマホの擬似コントローラは触れたところで何も感じません。指先に触れているのはスマホのディスプレイでただのガラスです。
つまりスマホの画面に表示されているボタンを押しても、それを押したという感覚が無いんです。
多くのサービスはユーザーの操作に反応するようにインタラクションを組み込んでいますが、それは視覚で認識する補足的な情報であって指先で直に感じる感覚ではありません。 button ボタンを押したという感覚がダイレクトに指先で感じられないから、操作している感覚が得られず面白いと感じられないのではないでしょうか。

擬似ボタンが故の不安感

ボタンを押した感覚が無いスマホでは、本当に押したのかどうかは画面上の変化でした判断できません。
画面に変化がなければ自分が押し間違えたのか、ソフト側がバグっているの解らないということです。
ゲームのコントローラのように実在する物体を操作していれば、感触で自覚しているので、この不安は生まれません。
擬似ボタンでしか起こらない現象です。

こんな経験はありませんか?

オンラインショッピングで購入ボタンを押した・・・けれど画面上にはなんの変化もない。
反応するまで何度か押してしまい、同じ商品を複数購入してしまった。
購入ボタンを押した瞬間に読み込みが走り、画面上に変化はないものの裏では処理が始まっていて、すぐには画面が切り替わらなかった。
ユーザー自身がボタンを押したのかどうか画面の変化でしか認識できないから起こるミスです。

触った感覚がないとなぜ面白くないのか?

コントローラの操作は、プレイヤー自身が指先の感覚で操作を自覚しているので、画面内のキャラクターが自分の操作によってアクションを起こしているということが直感的に解ります。 インプット ”プレイヤーの操作(アウトプット)の結果を指先で認識しながら、視覚から得られる情報(インプット)もそれと同じ結果を体感しているので、インプットとアウトプットの釣り合いが取れている状態”

一方、スマホの擬似ボタンでは指先からの感触が無いため、画面上の変化によって初めて自分の操作の結果を知ることになり、認識するまでにタイムラグが生じるため操作している感覚が薄いのではないかと思われます。 タイムラグ ”プレイヤーの操作(アウトプット)に対するフィードバックが無いため操作している感触が得られない。視覚から得られる情報(インプット)はあるが、目からアウトプットした情報ではないのでインプットとアウトプットの釣り合いが取れない”

”触っている感覚がない=操作している感じがしない”

「打てど響かず」という言葉がありますが、まさにその現象です。
直感的な操作を要求される(特にアクション)ゲームのような遊びの場合はこの感覚がストレスとして感じられて、面白くないと感じるのではないでしょうか?


余談ですが…
ironman 今後はタッチパネル式のデバイスも増えていくでしょうし、もしかしたら触りもしない操作パネルが登場するかもしれません。
現代の子供たちはすでにスマホやタッチパネルのデバイスが生活の中にあるのが当たり前の世代ですから、古い感覚に慣れてしまっている我々世代にしか解らない感覚なのかもしれません。

”手で触れて感じる”というアナログな感覚は人類の進化において重要な役割を果たしてきた貴重な感覚です。モノづくりの現場においても、機械任せにせず人の感覚を信じることでより優れた製品を生み出しているメーカーもまだまだ沢山あります。
感触を再現するデバイスの研究も進んでいるそうです。 monodukuri
いずれ擬似ボタンに違和感を感じなくなっていくのか、もしくは触る感覚を再現したデバイスが登場するのか、今後のデジタルデバイスの進化を思うと楽しみです。

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