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コラム「デザイナーの主張」
UIUXデザイナーってなに?
どうも、UIUXデザイナーのG@ckです。 UIUXデザイナーという聞き慣れない単語を聞いて、普段僕がどんな仕事をしているのかピンとこない方も多いと思います。
そこで今回は僕らUIUXデザイナーがゲーム業界でどんな仕事をしているのかご紹介したいと思います。
UIUXってなに?
デザイナーにもいろいろな種類があります。
「ファッションデザイナー」「建築デザイナー」「インダストリアルデザイナー」「エディトリアルデザイナー」「ウェブデザイナー」などなど
UIUXデザイナーもそんな数あるデザイナーの中の1種です。 ―で「UIUX」ってのは、そもそも一体何なのか?って話ですが
UIUXというのは「ユーザーインターフェイス(UI)」と「ユーザーエクスペリエンス(UX)」という二つの単語を組み合わせた造語で、
僕らUIUXデザイナーはそのUIUXをデザインするのが仕事なんです。 「・・・・・・」
だからUIUXって何なんだよ!ってはなしですよね。
UI(ユーザーインターフェイス)デザイン
銀行のATMのタッチパネルやカーナビの画面など、ユーザーが操作するための画面を”ユーザーインターフェイス”と呼びます。 UIをデザインする人達のことを”UIデザイナー”と呼んでいて、UIデザイナーは、ユーザーが実際に触る画面をデザインするのがお仕事なんですね。
つまり、ゲーム業界のUIデザイナーというのはゲームの画面をデザインするのがお仕事というワケです。
UX(ユーザーエクスペリエンス)デザイン
ユーザーエクスペリエンス 聞きなれないと思います。
“ユーザー体験”という言い方もされているんですが、Wikipediaによると
人工物(製品、システム、サービスなど)の利用を通じてユーザーが得る経験
と言っていて、UXデザインというのはそれをデザインするのが仕事なんですが・・・
「は?」 って感じですよね・・・
みんな大好き”ディズニーリゾート”
日常から隔絶された非現実的な空間が広がる夢の国。
そんな非日常感を体験したくて何度も通い詰めるヘビーユーザーがたくさんいますが、
この非日常感がユーザー体験です。 ゲームに置き換えていえば、ゲームをプレイしているユーザーを楽しませるためにはどうしたらいいのか?
というのを考えるのがUXデザイナーのお仕事というワケです。
サービスを利用する利用者にサービスを通してどんな体験をしてもらいたいか?をデザインするのがUXデザイナーの使命なんですが、これってもはやデザイナーじゃないんですよね。
人間工学や行動学、心理学の分野で、いわゆるクリエイターとは全く違う分野なんです。
UIUXデザイナーの仕事
じゃあなんでUIUXデザイナーとよばれるのか?
それはユーザーにとって快適に操作できるインターフェイスをデザインするためには、UIとUXを同時に考えなければいけないから なんです。 「このボタンがこの位置にあったほうがアクセスしやすそう」とか「ここからこっちの画面に移動できれば楽」とか「この画面で見せたいのはこの部分」とか
ユーザーにとっての使いやすさを考えた画面デザインを始めると、ただ画面の見た目をよくするだけのUIデザインの範疇を大きく超えてきます。
さらに踏み込んでいくと
「ユーザーにどんな風にサービスを使ってもらいたいか?」「サービスを通じてどう楽しませてやろうか?」など、
サービスそのものから得られるUXを最大化させるためのUIとはどんなものなのかを考え始めると、もはやデザイナーの領域ではありません。
本来このUIとUXは分けて考えるべき事柄なんですが、
”ユーザーが快適にサービスを利用するためのUI” を提供するためには、どうしても切っても切れない関係にあります。
デザインの知識だけではいいUXは作れないし、UXの知識だけあってもデザイン技術が無ければ画面(UI)を作ることすらできません。
だから、UIとUXを同時に考えられる、僕らUIUXデザイナーが必要というワケです。
ゲーム業界のデザイナー
ゲーム業界でデザイナーと呼ばれる人たちはちょっと事情が違っていて
「イラストレーター」「3Dアーティスト」「モーションデザイナー」「エフェクトアーティスト」など 一般的には”アーティスト”と呼ばれる職域の人たちもデザイナーと呼ばれることが多いです。
UIUXデザイナーはいわば ”総合職” で、
デザインはもちろん、UI上で必要ならばイラストも描くし、画面の動きを考えたり、
UIに関することは全てやるのが当たり前なんですが、 先に挙げたアーティストは対称的に ”専門職” です。
特定の分野に特化した人たちなので、全部やるデザイナーとはちょっと毛色が違います。 デザイナーはヘンに色々出来てしまったりするので、アーティストと衝突することも多いです。
そもそもゲーム業界にUIデザイナーは存在しない
この画像を見てどこがUIかわかりますか?

答えはUIなんて無い です。
ファミコンのような初期のゲームではキャラクターがフィールドを動いていればそれで成立していたので、そもそもUIと言えるものが画面上には存在しませんでした。
強いて言うなら、ユーザーインターフェイスと呼べるのは”コントローラ” 初期のゲームのような単純な操作のものなら、UIが無くてもコントローラの操作だけで完結していたわけです。
ゲーム業界にUIデザイナーという人種は長らく存在していなかったと思われます。
この時代、ゲームの操作感やレイアウトなどは企画職が考えていました。
デザイナーの仕事は、世界観やキャラデザイン、パッケージなど、あくまで絵的な部分だけでした。 技術が向上し、表現の幅が広がったことで、より複雑な操作が可能になり、画面上に表示するUIが必要不可欠になってきます。
そしてスマートフォンが登場したことで、コントローラがなくなり、UIが無ければゲームが成り立たない時代に突入しました。
そのため専門的にUIをデザインできる人員が必要になってきたのが現在のSG業界なワケですが、
依然として画面レイアウトはプランナーが考えるものという慣習が根強く残っているため、UIUXデザイナーはプランナーと一部の職域が重なることになり、しばしば衝突することになります。
不憫なUIUXデザイナー
UIUXデザイナーはUXを考慮したUIデザインがメインの仕事になるわけですが、
UXの中には”体感”や”心地よさ”といったインタラクション部分も含まれるので、モーションの仕事も含まれます。 また、画面をデザインするにはゲーム”雰囲気”や”世界観”を考慮しなくてはいけないので、コンセプトアーティストとしての資質も求められます。
そしてUXはプランナーの領域ですが、UIをデザインするうえでは決して無視出来ません。
さらに、内部的な構造も知っておかなければUIを組むことが出来ないため、エンジニアリングの知識もある程度は必要になってきます。
ゲーム業界のUIUXデザイナーがやらなきゃいけない仕事
- ●世界観やキャラのコンセプト設計に基づくビジュアル面でのクオリティー担保
- ●最適なUXを提供するための画面設計
- ●インタラクションと技術的な構造を考慮した効率のいいUI設計
- ●画面デザインおよび、ゲーム内アセット全般のデザイン制作
- ●エンジニアと連携したフロントエンジニアリング開発
色んな職種の人たちと少しずつ仕事の内容が被ってしまうので、デザイナーには ”調整力” や ”空気を読む力” といった、対人スキルがかなり重要な能力にもなってきたりします・・・
> 不定期連載「くたばれ!SG業界 不憫なUIUXデザイナー」< をご覧になればお分かりいただけるかと・・・
以上がゲーム業界で働くUIUXデザイナーのお仕事です。お判りいただけましたか?
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