- ホーム
- 技術備忘録
- コラム「デザイナーの主張」
- ゲーム会社で出世する人、しない人

コラム「デザイナーの主張」
ゲーム会社で出世する人、しない人
ゲーム業界に10年もいれば、どんな人がゲーム開発に向いていて出世できるのか、何となく見えてきます。
今回はゲームクリエイターに向いている人とそうでない人と開発現場で出世していく人の特徴を分析してみたいと思います。
ゲーム開発は理不尽の連続
クリエイターである以上、作品に対する思い入れや拘りなどは強くあるもの。
しかし、ソーシャルゲーム開発の現場において最も優先されるのは”プロデューサーやディレクター(上位レイヤー)の意向”です。
ユーザーにとってマイナスだろうと、ゲームがツマラなくなろうと、クリエイターにとって不満があろうと、会社の利益を最優先に考えるSG開発現場において、個人の拘りなど「便所のネズミのクソにも匹敵する下らない考え」でしかないわけです。 組織である以上利益を追求するのは当たり前のことですが、SG業界はそれが度を過ぎるくらい顕著に表れる現場なので、純粋にいいものを作りたいと考えるクリエイターにとってはストレスの多い環境であると言えます。
デザイナーやエンジニアは基本的にプランナーの言いなりなので、彼らが黒といえば白も黒にしなければいけないわけですが、素直に言いなりになるのが癪な僕はいつも「限りなく黒に近いグレー」くらいのデザインでなんとかモチベーションを保っています。
ソーシャルゲーム【特にガチャ課金ゲーム】はゲームではないという前提で与えられた仕事をそつなくこなす程度の意識で取り組まないと、早々に精神がやられます。
ソシャゲの残酷な真実はコチラ↓
> ソーシャルゲームはゲームではない <
仕事ができる人は出世できない
普通、仕事のできる人が出世できるのが当たり前だと思うんですが、SG業界では仕事ができる人は出世できません。
その理由は、仕事ができる人は開発現場で忙殺されるためです。
それなりに優秀な人たちが集まってくるゲーム業界ですが、それでも一部のズバ抜けた天才がプロジェクト内には1人か2人いるものです。
結局そういうスペックの高いスタッフに重要な作業が集中してしまうため、管理業務に時間を割くような余裕がそもそも無く、プロジェクトとしてもそういう人材に抜けられてしまうと穴埋めできるメンバーがいないため、現場に留めておきたいという本音から、仕事ができる人ほど現場作業に忙殺される傾向にあります。 また、職務内容がプレイヤー(作業員)からマネージャー(管理者)に変わるので、そもそも求められるスキルが違います。
現場で優秀だった人が管理職になったとたんに無能扱いされるというのはよくある話で、それに疲れて会社を辞めていくか、また現場に戻ってくるので、結局ミドル層の管理職が育たないわけです。
ピーターの法則-wikipedia- っていうらしいですね
仕事できない奴ほど出世する理不尽な現実
仕事のできる人材が現場から離れられないので、大して仕事のできない人たちがリーダーやマネージャー職にあてがわれます。(ただの消去方です)
しかし優秀な人は自分の管理もしっかりできるので、実質管理者はただ居るだけのお飾りのという人が非常に多いです。
ただ、そんなお飾り管理職の皆さんに共通している特徴があります。
それは…忙しいフリが超上手いこと。
会議だなんだと理由を作っては離席するので常に席にいないから仕事してなくても気づかれないし、
開発に全く関心がなく作業担当者に丸投げする割には、評価につながりそうな大きな案件が持ち上がるとやたらやる気を出して、素頓狂でお門違いなアホなインプットをしてきます。
しかし本人は何もしないので現場担当者がその尻ぬぐいをするワケです。
そして権力者と異常に仲がいいというのも特徴的。
個人の能力以前に仲良し人事が横行しているのもSG業界の特徴です。


高学歴な人も出世コースなんですが、勉強ばっかでゲームはおろか、そもそもエンタメに興味ない連中がマネージャーとかやってるので、ゲーム開発なんてできるわけなくてマジで使えないです。
最終的に・・・勝てば良かろうなのだァァァァァッ!!
評価制度は会社によって違うとは思いますがゲーム業界全体の特徴として、結果を重視する傾向があるのは否めません。
どんなにまじめに仕事に取り組もうと、重要な業務を効率良くこなそうと、売り上げに直接つながる仕事をしない限り絶対に出世できません。
この時点で売り上げに関係無いデザイナーは自動的に出世の道から外れるってことです。。
あえて空気を読まない求心力が出世のカギ
ここまでの内容で、仕事に真面目な人はゲーム業界で出世できないというのがお分かりいただけたかと思います。
–では、どんな人がゲーム業界で出世していくのかと言うと
仕事はしないが自己主張が強くて、コミュ二ケーションが上手な人です。
そもそも仕事ができないので、自分で手を動かすような作業はしないんですが、管理業務がきちんとできるかと言うとそうでもありません。
彼らが得意なのは仕事してるフリとクレームだけ。
こうと決めたらどんな反対意見があろうと、すべてを捻じ伏せて自分の思い通りに事を成し遂げる強烈なワガママと、成し遂げたという結果だけをうまく上司に報告して取り入るしたたかさを併せ持つコミュニケーション能力の高さが彼らの出世のカギです。
結果を重視するゲーム業界では、たとえそれが失敗だろうと実行したという事実が大切なので、それをうまくアピールすれば会社としては優秀な人材と評価されるようです。
ただ、まぁ、そんなことを続けていれば色んな人から恨みを買うのは当然なんですが、
プロジェクトメンバー全員を敵に回しても全く意に介さない強靭な鈍感力はある意味尊敬に値します。
数億単位の損失なんて出したら普通の会社じゃ懲戒レベルだと思うんですが、ソーシャルゲームの会社では、ゲームを完成させたという結果だけが何故か評価されます。
事実、1年くらいリリースが遅れたり、目標の1/10にも満たない売り上げで、会社に大きな損失を与えたのにも関わらずなぜか出世したプランナーが腐るほどいます。
努力はアピールしないと報われないのがSG業界です。
まとめ
以上を踏まえて、ゲーム開発に向いている人とそうでない人をまとめてみると・・・
ゲーム業界に向いていない人の特徴
- 真面目
- 責任感が強い
- 正義感が強い
- こだわりが強い
- 空気が読める
- 仕事ができる
ゲーム業界に向いている人の特徴
- いい加減
- 無責任
- 厄介ごとには首を突っ込まない
- コミュニケーション能力が高い
- 空気が読めない
- 仕事ができない
一見すると向いていない人の方が、仕事に真面目で社員としては優秀そうですが、それが落とし穴。
真面目に仕事に取り組む人ほど、ゲーム開発現場における理不尽な状況を深く受け止めてしまうため、精神的な負担が大きくなり、運が悪ければ心が壊れます。
本当に仕事ができる管理職もいることにはいるんですが、かなりなレアキャラです。
そういう人はマネジメント業務に忙殺されるので、あえて仕事をしないのですが、ほとんどの管理者はマジで仕事できません。。バナー一個作れません。
面倒なことが起こるとすぐに逃げます。
そんな無能なアホと一緒に仕事していると純粋な殺意を覚えますww
個人的な独断と偏見に基づく内容ですが、あながち間違ってないんじゃないでしょうか?
これからゲーム業界でクリエイター職を目指そうと考えている方にアドバイスできることがあるとすれば–
やりたいことや自分の考えの2割も出来ないと思っておいてください。
関連記事
-
デザイナーから見るデキるプランナーとダメなプランナーのたった一つの違い
-
ソーシャルゲームはゲームではない
-
ペアレンタルコントロールって必要なんだろうか?
-
ろくでもないデザイナーに引っかからないために
-
日本のソシャゲが終わる日
-
ウォーターフォール開発が失敗する理由
技術備忘録 でよく読まれている記事
-
デザイン
アプリの画面デザインで最低限知っておかないと恥ずかしい基礎知識
ソーシャルゲーム開発ではスマホの画面デザインしかしないので ただひたすらスマホアプリの開発ばかりしていると、基本的なデザインの知識から取り残されていくと感じることが結構あります。 今一度、確認のために「アプリの画面デザインの基礎知識」をまとめておこうと思います。 基本的にはWEBに関係……
-
Unity
Unityで画像を綺麗に表示させたい
Unityによるゲーム開発においてデザイナーの悩みの種の一つが画像の容量をいかに抑えながらリッチなUIを目指せるかです。 画像の圧縮技術やアトラスの持ち方などは開発会社によって異り、各々独自に考案した技術を用いているのが現状のようですが、 Unityがもともと持っている画像圧縮技術があま……
-
日本のソシャゲが終わる日
-
デザインに必要なことは全て漫画から学んだ
-
Unity組み込みはデザイナーの仕事なのか?